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VAIO VGN-UX90Sを購入したのですが、あまりにキーボードが打ちにくいので、モバイルキーボードを作っちゃいました。以下、日記風にその顛末をまとめました。
読んでいただければ分かりますが、採用した方法は、根気はいりますが、あまり頭は使わないものです。「市販のキーボードはいまいちパッとしない」など不満をお持ちの方、参考にしてみてください。

■ 製作の大きな流れは――
1.市販のUSBキーボードをバラしてキーマトリクスを解読する
2.市販のUSBキーボードのコントロール基板とUSBハブを接続してケースに内蔵する
3.手順1.で解読したキーのうち、必要なキーだけ選んで自分でキーマトリクスを組む
4.それらをケースにまとめる
――です。
# この記事は、あくまで、電子工作やケース加工の基礎知識のある方への参考として掲載しています。製作はあくまで自己責任でお願いします。


'06.7.23: 部品調達

以下の部品を購入。「鈴商」など、懐かしの電子部品屋さんで購入したものもありました。
(結局最後まで使わなかった部品もありました。)

ソフマップにて
ELECOM製USBフルキーボード(TK-U12FY ALG)
特価\980

鈴商にて

緑LED付きタクトSW
- キートップグレイx40
- キートップブルーx30
- キートップレッドx5
¥3,750(単価¥50)


千石電商にて

USBコネクタ(Aタイプ)2段x1 ¥150
USBプラグ(〃)x1 ¥280
USBコネクタ(2.0)x1 ¥200


ヒロセテクニカルにて

線材(極細30m) 約¥700
ケースYM-115 ¥525


マルツにて

ユニバーサル基板(サンハヤトICB98)¥1,449
USBコネクタ(Aタイプ)1段x1 ¥105

06.7.27: 市販キーボードのマトリクス解読&キー仮置き

キーボードの解読。テスタの便利さに、今さらながら感動。


キーの仮置きをして、置けるキーの個数を決める。上2つの角にキーを置かないのは、ねじ止めの必要があるから。結局68キー置ける。
キーがチャチなので、変更も考えている

■ キーのレイアウトは――こんなところかと。


'06.8.1: キーボード68個・別パターン試作

■ キーボードの半田付け。68個ある。


■ キースイッチを変更しようと思ったが、仮組みしてみると下のようになり、ちょっと持ち運びに耐えないのでこれはボツにした。



'06.8.8: キーマトリクスの配線
■ キーマトリクスの配線に勤しむ。10日くらいかけてキーマトリクスを終えて、次はケースの穴あけでもしようかと。気長にやるのだ。
数字とアルファベットの組み合わせでキーの種類が特定される
その組み合わせを基板上に再現する


'06.8.11: キーマトリクスの配線ii

「C」「D」「E」「F」「G」「H」「M」「N」「O」「P」「Q」「R」まで終わる。
キーマトリクスの配線全体の半分弱が完了。


'06.8.15:テストラン

■ USBハブと、キーエンコード基板、それからキーボード基板を結線してテストランしてみる。仮組み用の台に基板を置き(下)、


VAIOに接続して、一つひとつのキーを押しながら正しく入力できるかどうか確かめる(下)。
……と、すべて良好に反応して入力できているのだが「何かが足りない。。。」


「わわわ、ENTERキーが抜けていた!」今の今までまったく気付いていなかった。。。orz
急遽下のようにHOMEキーを削り、マトリクス変更して、何とか落着。


'06.8.16: 発光!
CAPS/LOCKキーのLED発光に成功。



'06.8.17: 光らない。。。
今日は、これまで直にUSBコネクタを付けていたのを、ソケットを繋げて完成に一歩近づけた。
それはよいのだが、せっかくLED入りの「光る」キースイッチを実装していたのに、当初の計画通りに行かないことが発覚。。。
キースイッチの中身が、想像上と実際とでは違っていたのだ。
左図の A を文字打ち用の回路(つまり本来のキーボード用の回路)として使い、残りのBとCで、「押すと光る!」と実現しようと思っていたのだが。。。
実際は右側の赤い○部分のようにA・Bが導通していることが分かり。導通している以上、文字打ち用の回路とは別に発光用の回路は用意できないという結論になり。(ただしCAPS/LOCKキーは、キーエンコード基板から直接LED用の信号を引いてくるから大丈夫。)
ってこんなスイッチ、6本もリード線が出ている意味ないじゃん!。。。スイッチメーカーに文句言っても後の祭り、か。ふーー(溜息)。
さしあたり、この件はペンディング!次回からは、いよいよケースへの実装。
'06.8.18: ちょっとのズレでも大変!
昨日述べたように、ケースの穴空け準備にかかる。とは言っても、いきなりドリルや金鋸を持ち出してもダメなので、ケース内部のレイアウトを決めて、穴の位置と大きさ・形状を決めなければならない。
ざっと何枚か現物合わせをして走り書きしてみる。ケースのサイズが小さいので、1mmのズレでも大変なことになりそう。



'06.8.20: 仮組み

■ ケースの加工。現物合わせで、ハンドドリルによりネジ穴を空け、仮組みしてみた。なかなか良好に収まる。
残るは、USBコネクタの穴空け×2、キーボード部の穴空け(天板に巨大な穴を空ける)。いずれも四角くやる必要があり、最も手こずる作業となること必定。。。

左から、USBコネクタ(in)、エンコード基板、USB hub基板及びUSBコネクタ(out)。


'06.8.23: 穴空け
■ 8/20に「手こずる」と予想していた、穴あけ×3のうち、×2まで終わった。つまりUSBコネクタの部分×2だ。

ハンドドリルで、何カ所か穴を開け、精密ヤスリで少しずつ穴を拡げていく方法で何とか。。。
さて次は、最大の山場、キーボード部の穴空け=天板に巨大な穴を空ける。


'06.8.25: 穴空けii

■ いよいよ大詰め。

一昨日、予告していたとおり天板に大穴。
ハンドドリルで枠に沿って無数の穴を空け、穴の間をニッパーで切り、バリを精密ヤスリで磨き平らにしていく。
気の遠くなるような作業。
左下の拡大。こういう凸凹を精密ヤスリで平らにならしていくのだ。
天板の大穴は、キーボードのキートップがスルリと通るように正確な寸法であること。
仮組みしてみて、すんなりはまり一安心。

USBコネクタが見える。左がout、右が in。
これからやることは……
絶縁処理(ケースが金属製なので)、キートップの文字処理(シールを貼る?)、専用のUSBケーブルを作るかどこかで見つけて買うこと、そして動作確認かな。


'06.8.26: 完成?
仕上げに取り掛かる。
ケース内の絶縁処理をして、VAIOに接続して試運転。
問題なし!
キートップの文字をどうするか? 近所の文具屋をのぞいてみる。
フラフラしていると、ノーカットのシール用紙を見つける。ノーカットの透明フィルムシールまである。これらと、丸型の色つきシールを組み合わせてやれそうだ。Excelで作成したキートップの配置図をこれらのシールに縮小印刷して、切り出して使う。
もちろん、打鍵による文字カスレを回避するために無地の状態でフィルムシールをカットして使う(以下の写真参照)。
エーワン製レーザープリンタラベル(ノーカット透明タイプ:品番28426)に、縮小率50%でキー配置図を打ち出す。
打ち出したキートップ文字を切り出していく。
丸形のシール。ニチバン製マイタックラベルML-141。
丸形のシール上に先ほどの切り出したフィルム片を貼ってキートップを作る。
――この、フィルムと丸形シールを組み合わせたキートップは一部の特殊キーだけにした。
残りは、エーワン製レーザープリンタラベル(ノーカットタイプ:品番28381)に、同じく縮小率50%でキー配置図を打ち出したものを切り出して使う。
文字面にすると簡単だが、実に細かく神経を使いかつ単純作業なので苦行だ。。。
上記の文字たちをキートップに貼っていく。貼ったあとは、その上からまた透明なフィルムを切り出して貼る。文字かすれの防止だ。
すべて貼り終えたところ。あーくたびれた!
一番手前の左から4番目のキーはCAPS LOCKキーなので、透明フィルムのみ2枚貼っている。
今さらながら、DELキーがないことにより、CTRL+ALT+DELの同時押し=システムフリーズ回避ができないことがわかってしまう。。。
テキスト編集のことばかり考えていて、もっぱらBackspaceキーを使うのであれば、DELキーは要らないのではないかと思い省略していたのだった。
結局Backspaceキーは諦め、DELキーをかわりに配置することにした。
勿体ないのでBackspaceキーはとっておく。
サイズの比較。


'06.8.27: 問題

いまさらながら問題発覚。
ケースの絶縁が不十分でどこかの端子がショート。VAIO起動時に警告音!
キーボード外して再起動したが、フォルダの名前が変わっていたりして、挙動が不審。システムが壊れたかもしれない。。。
しかし、よくよく調べたら、変わっているのはフォルダの名称で、これは、キースイッチの端子がどこかでショートしてキーが連射状態になったためらしいことが分かる。

その後、絶縁処理をし直し、キーボードを接続しても警告音が鳴ることもなく、正常に使えるようになった。
が、内蔵したUSBハブが使えない。いや、厳密にいうと、ごくたまにしか使えないのだ。
アースの引き回し、USBハブ自体の能力の限界など、原因はいろいろ考えられる。がひとまず今日は寝る。


'06.8.28: Gallery
■ USBハブの問題はそのうち解明するとして、今VAIO本体に接続していろいろ使ってみている。
キータッチは良好。ストロークもほどよい。


''06.8.30:後日談

■ USBハブの問題は、結局、基板を他メーカー新品に交換することで難なく解決した。一回ケースの絶縁不良でショートさせてしまったときに逝かれてしまった可能性が高い。しかし、もともとこのメーカー製のUSBハブがダメダメだった可能性も同じくらいある。
いずれにせよ、今はUSB2.0ハイスピード対応ハブとしても使えている。


BKSPキーは、結局復活した。
このキーがないと、どうしようもないくらい不便だったので。しかし、キーの数は限られているので、悩みに悩んだあげく、SPCキーの隣に来てもらった。(HOME、ENDキーは断腸の思いで排除。。。)


苦労した甲斐あり、思ったより使い勝手がよく、我ながら手放せないアイテムとなっている。。


 






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